在宅にて高齢者に起こりやすい疾患 ~インフルエンザ~

夏の暑さも過ぎ、過ごしやすい日が続く今日このごろですが、朝晩は肌寒さを感じます。

毎年、この頃になるとインフルエンザが徐々に流行し始めますので、ワクチンの予防接種をお勧めします。

今年はすでに福井市内でも9月初めに、学校を中心に数カ所でインフルエンザが流行しました。

インフルエンザは寒い時期に流行しやすいものですが、ウイルス自体は通年存在していますので、自分の体調次第で感染発症する可能性はいつでもあるといえます。

 

インフルエンザとは

インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症で

・38~38℃以上の高熱

・頭痛

・関節痛

・筋肉痛

・全身倦怠感

・etc

などの症状がみられ、特に高齢者では気管支炎や肺炎などが合併しやすくなります。

 

なぜ高齢者は重症化しやすいのか

一般的に、体力や免疫力が低下していると重症化しやすいのですが、慢性的な呼吸疾患、心疾患、糖尿病、腎臓病などの持病がある方は抵抗力が低下しており、インフルエンザにかかりやすく、さらに高齢者であれば重症化もしやすくなります。

ですから特に「持病のある高齢者」の方はワクチン予防接種をして予防につとめたり、体調変化を感じたらすぐに医療機関を受診するように心がける必要があるのです。

 

在宅で気をつけること

・脱水

高熱のため発汗しやすく、体内の水分が失われ、脱水状態になります。倦怠感から飲食を拒むこともありますが、水分だけでも摂ってほしいところです。しかし、意識朦朧としていると水分のスムーズな嚥下ができず、誤嚥性肺炎を引き起こす、尿量減少により尿路感染症になりやすくなるなど、脱水は合併症を引きおこしやすい原因の一つです。

水分補給できないときは、医療機関をご受診ください。

 

・温度管理

定期的に換気し、部屋のウイルスを外に出し、室温は20~26℃、湿度は50~60%を保つようにします。

部屋の乾燥は、ウイルスの増殖を招き、気道(のどから肺まで)粘膜を傷つけ、家族に二次感染するおそれがあります。

 

・市販薬の服用

ただの風邪かなと、家にある市販感冒薬を服用する方もいますが、大変危険な判断です。

万が一インフルエンザだった場合、坐薬や解熱剤、感冒薬を服用すると、インフルエンザ脳炎やライ症候群を併発する危険があります。

急な高熱、全身の倦怠感など、インフルエンザ症状の特徴がみられた時は、すぐに医療機関をご受診ください。

 

・認知症の悪化

高熱や倦怠感により、理解力や判断力の混乱を招くことや、悪化により入院したことで、認知症が急速に進行することがあります。

 

インフルエンザに感染したら

・早めの受診

発症して48時間以内ならば、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬の服用で、ウイルスの増殖を抑えることができます。

しかし高齢者の方(特に独居の方)は、高熱の状態で、すぐに受診することがままならないことも多いと思いますが、

48時間を超えていたとしても受診することをお勧めします。体力が奪われている状態なので、他の感染症になる恐れもあり、大変危険です。

 

・二次感染予防

家庭内での寝室隔離や家族のマスク着用。

担当のケアマネージャーがいれば連絡するのが望ましいです。第三者への感染を防ぐために、デイケアやヘルパーさんの利用もお控えください。

 

・十分な休養

汗をかいたら着替え、定期的に水分補給し、ひたすら横になって体を休めます。

水分はスポーツ飲料などが望ましいですが、味の苦手な方もいますので、ご自身の飲みやすいもので良いです。

嚥下しづらい時は、トロミ剤でとろみをつけたり、ゼリーも良いですね。

 

お知らせ

インフルエンザ感染の予防の第一はワクチンの予防接種です。

当院にもワクチンが入荷してきましたので、予防接種ご希望の方は12月中旬までに摂取されることをおすすめします。

尚、各市町村において高齢者の方に、インフルエンザ予防接種の補助金制度を設けていることがありますので、通知が届いている方は期間内に是非ご利用ください。

福井市では平成29年10月16日(月)~平成30年1月31日(水)がその期間となっております。

詳しくは奥村外科胃腸科ホームページへ→

 

 

担当:奥村外科胃腸科

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